『ドックンドックン…』
バスタブにつかりながら、ふとタカシはつぶやいていた。射精のときの痺れるような快感を思い出そうとしたのか。
20代前半までは何の異常もなかった。むしろ熱いくらいの快感に満たされ、夜ごと別な女の子を口説くのを自慢げに話していたものだ。
アルバイトで入った会社に、正社員として採用されてからはさすがにおとなしくなった。
今の彼女とは、もう2年ほどになる。つきあい始めた当初から射精の感覚はすでに弱くなりつつあったが、遅漏なんだとごまかしていた。
昨年の秋、ついに射精感がないままトローっと流れ出た精子に気付かず、彼女の生理が始まるまで二人は悩ましい夜を過ごした。
ピストン運動は可能だったが、力強さに欠けるセックスにタカシの青年らしい覇気は消えていった。
「元気出してよ、タカシ!」
そんなタカシを気づかいながら、彼女はできるだけ明るく振る舞っていたが、心の中ではやりきれない気持ちに押しつぶされそうだった。
『このままやったら、二人ともねじれてしまう…』
そう考えた翌日から、できることは片端から試した。
ようやく元木先生に辿りついたのは、8件目、まさに七転び八起きのねばり強さだった。
相談フォームへ