「ほら、朝はこんなに元気なんやで。」
片山はパンツをおろしてちょっとおどけたように腰を振りながら、妻の様子をうかがった。
というのも、彼の分身が2晩続けて役に立たなかったのだ。
「はいはい。分かったから、ええかげんそんなアホみたいなことせんといて。子どもが見たらかっこ悪いで。
あんた、しばらく仕事がキツかったから、疲れがたまってるんやわ。私はええから、のんびりしとき。」
『でも、なんでやろなあ。』
片山は通勤電車に揺られながらぼんやりと考えたが、考えてどうなるものでもなかった。
その後妻と色々(コスチュームや場所を変えたりして)試してみたが、彼の分身はフワーとしたままで、挿入できる堅さには戻らない。妻が少しイライラし始めたので、休日の朝子供たちに気づかれないよう、手早く済ませることでその場をしのいできた。
しかし、そんなセックスではお互いが満足できるはずもない。
市販の薬もいくつか試してみたが、回復にはいたらなかった。
あいかわらず朝は元気なのが、歯がゆいほどのジレンマに感じられる。そんなジレンマの中、新聞の文字が片山を釘付けにした。
『フワーと勃つがカチカチにならない』
いつもならゴミ箱に捨てる新聞を鞄にしまう。
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